« あれこれメモ。 | トップページ | ツバメ。 »

2010年8月 5日 (木)

映画「スプリング・フィーバー」試写。

中国作品、公開は11月6日!まだまだ先ですが、試写を観た時のインパクトが・・・あまりにも強烈だったので、その感覚が失われないうちに書いておかなくては!と思いました。

何がそんなに強烈だったか、というと、ず~っと以前に、バロウズやギンズバーグやケルアックの「路上」とか、ビート文学(ビートニク)と呼ばれる作家の本に衝撃を受けて、憧れて傾倒して、読みあさった頃の感情とリンクして、自由を追い求めて暴走する若さ、みたいな、そんな荒々しい若さを作品が発していたからです。

ロウ・イエ監督は「天安門、恋人たち」(2006)を製作し、中国電影局の許可が降りないままカンヌ国際映画祭コンペティションで上映した結果、当局より5年間の映画製作・上映禁止処分を受けている。

なのに、それを無視して、家庭用のデジタルカメラを使用してゲリラ的に撮影を敢行して「スプリング・フィーバー」完成させた。何の情報も持たずに試写を観た際、画像の荒さやブレが多少気になりつつも、繁華街を走り抜けるシーンや、俳優の至近距離で一緒に動きながら追うカメラワークの臨場感に、ドキドキしました。

我々が通過してしまったビートの世界が、今がリアルな中国のユース・カルチャーと重なるのかもしれない。体制に反発したり、弾圧されたり、自由を求めて表現をやめないパワーこそが、こうした作品を世に送り出しているんだと思う。

劇中で恋人たちが詩を朗読するシーンも、ビートニクを彷彿とさせるんですが、その詩は中国ではポピュラーな作家ユイ・ダーフの「春風沈酔の夜」の中の一節が、これがまた凄く良かった。

《自殺!おれに勇気があれば、とっくにやっているさ。 だが、いまでもこの二文字を思い出すところをみると、おれの気力もまだ完全に潰えたわけじゃないな》

夫の浮気を疑う女性教師は、浮気調査を探偵に依頼し、夫の相手が青年であることを突き止める。夫婦関係、男二人の関係、探偵と青年、探偵と恋人の複雑な人間関係がやがて・・・・。

気になったのは、物語のエンディングのタイミング。ここで終わるのかな、と思うタイミングが2回くらいあった。私は、気持ちのピークが途切れてしまったかな。きっと監督は使いたい映像がたくさんあったのだろうな。

それと、シーン転換する際の、画面の文字の出し方がカッコ良かった。

「スプリング・フィーバー」は、「息もできない」と同じかそれ以上くらいに好きな作品です。かなりエロいシーンは濃く、リアルに描かれていて(男同士)、そっちが話題になってしまうかもしれないけど、私は後半のカラオケのシーンが最高にグッときました。

|

« あれこれメモ。 | トップページ | ツバメ。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/535437/48904129

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「スプリング・フィーバー」試写。:

« あれこれメモ。 | トップページ | ツバメ。 »