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2010年10月25日 (月)

「アーティストとファン」について思うこと。(4)

業界人になったり、そこで有名になると、なんでもタダになるなぁ・・・と思ったことがあります。

有名になれば、お金もそれなりに得られる状態になっているのに、それまでお金を払っていたものがプレゼントされたり、ご馳走してくれる人がいたり、顔パスになったりして、自分のお財布からお金を出して払うことが少なくなる様子をよく目にしてきました。

一番最初に「ほぉ~!」と思ったのは、自分自身がレコード会社で働くようになった時。それまでの一般短大生だった頃は、好きなアーティストのCDもライブもお金を払って観たり聴くのが当然だったのに、レコード会社では発売前の音源を聴けるのも当たり前になり、自社アーティストのライブを観れるのも当たり前になったから。ただ、この場合のタダで観れる、というのはあくまでも仕事になるので、ステージの近くに行ってキャー!なんて応援なんて出来ないし、媒体受付が終わってから、コソッと会場の後方からライブを確認して、お客さんの退場する少し前には会場を出て、出口付近で招待媒体の方たちに挨拶したり、楽屋へ案内したりしなくちゃいけないので、かつてのファン目線でライブに参加する意識はなくなってしまうんだけどね。

食事会でも打上げでも、アーティスト自身が支払いをしていることはほとんどなくて、レコード会社や事務所が支払います。クラブイベントをプロデュースした時、参加アーティストがVIP席で予想を超える呑み放題で・・・イベント後にクラブから追加で20万円の請求書が届いてビックリしたこともあります。

有名アーティストになれば、「○○の舞台を観たい」と言えば、すぐに誰かがそのチケットを手配し、「△△を食べたい」と言えば、すぐに誰かが差し入れし、「□□のブランドが好き」と言えば、ファンがプレゼントしてくれたり。お金持ちなのに、自分で買わなくても、貰えるものが増えてくる。

ファンが一番お金を使ってて、一番お金がないのに~!と思っていました。いろんなグッズを作ってファンに売るだけじゃなく、その価格が良心的であって欲しいなぁ、と。

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昨夜のビックリTwitter。

宇多田ヒカルさんが、Twitterで、Universal Japanから発売される宇多田ヒカルベストアルバム「Utada the best」を買わないで、ファンに向けてつぶやいて波紋を呼んでいますよね。

アーティストパワーと、ファンへの直接的な訴えかけをする上でのTwitterの威力に、驚きました!

11月24日に東芝EMIより「シングル・コレクションvol2」を発売し、これと同日にUniversal Japanが「Utada the best」というベストアルバムを発売することについて、彼女は怒っているようです。

「Universal Japanから発売が発表された「Utada the best」ですが、私の意志とは全く無関係であり、
EMIの宇多田ヒカルのベストと同日に発売をぶつけてきた彼らのやり方にもあまりいい印象を持てません。
予約を考えている人は、少し待ってください」



こんな風にハッキリ発言出来るアーティストはなかなかいないでしょう。いろんな人間関係や影響を考えると、思ってることがあっても、とりあえずは黙っておくほうが得策、と普通は考えてしまいがちです。

「売れなかったら叩かれるのは私なんですけど、正直なところ、ファンにお金を出させたくない、全く心のこもっていないモノです。未発表のものは何も入っていません」

「「シングル・コレクションvol2」は、誠意ある作品です。"Utada the best"については、後日もっと詳しくお話するつもりです。でももう予約が始まってしまったので…我慢できなくなって書いちゃった。今夜は、おやすみなさい! 」

アーティストが望んでいないアルバムがリリースされてしまう。今回のケースの詳細はわかりませんが、多分こうしたことは原盤権を誰が取得しているか、で起きてしまうんですよね。でも、アーティストにこう言われちゃうと、レコード会社はキツイでしょうね。Twitterがこんな威力を持って使われると、今後はアーティスト周辺のビジネス関係の人達も、アーティストのTwitterについて、緊張するでしょうね。

Universal Japanから「Utada the best」がリリースされれば、当然宇多田さんにも印税は支払われるけど、自分の納得したものでなければ、お金も受け取らなくていい、と思えなかったら言えない発言ですよね。お金は満たされてる彼女だからこそのプライド重視なんだろうな。でも、原盤権を持ってる側は、自分たちのタイミングで、ベスト盤を作って売り出す権利もあるからな~。それがイヤだったら、原盤権を自身が持つか、契約書に明記しておかないといけないんだけど、その時点では原盤製作費の負担が無理だったり、先のベスト盤のことって、なかなか判断できないからね。宇多田さんの場合、どういう契約なのかはわからないけど、契約上問題なくてUniversal Japanがリリースする場合は、今回のつぶやきは、アーティストの心情的にはわかるし発言は自由だけれど、う~ん、やっぱりナシでしょう。

とはいえ、レコード会社も、アーティストが契約更新のタイミングで移籍されちゃう場合とか、契約終了間際にベスト盤とかバンバン出すケースも多々あるので、アーティストも言いたいことはたまってるんだろうなぁ。アーティストにとってベスト盤って、なんらかの区切り的な意味合いを持ってたりすることもあるから、出したいタイミングも自分たちで選びたいって気持はよくわかります。あ、でもファースト・アルバムがいきなりベストってアーティストもいますよね・・・♪

いずれにしても、アーティストがファンに直接発信できるって、ものすごい威力ありますよね。

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コメント

勉強になります。

原盤権があれば、アーティストの思惑関係なく好きなときに好きなようにアルバムなり何なり出せるということですね。

SMエンタに原盤(音源?)権をよこせと言ってきたMnetは、SMがそれを拒否したので、東方神起の解体(SMエンタの弱体化)を意図し、それが今回の東方神起事態の裏にあるのではないかとたくさんの人が推察していると思います。

韓国の複合音楽媒体MnetとSMEが電撃的に和解をしたばかりですが、それほどSMEのアーティスト、プロデュース力は力があるということでしょうか。
なんにせよ、良かったです。
東方神起LOVEなので、彼らに追い風になれば…。(o^-^o)

投稿: Elle | 2011年1月20日 (木) 13:21

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