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2012年8月28日 (火)

映画「黄金を抱いて翔べ」試写。

20120827_200135井筒監督作品を好きか嫌いかで聞かれたら、私は苦手な方だ。まず暴力シーンを好まない、という点が最大の理由。暴力シーンがリアル、人が暴力で死ぬ。あとは時代感が自分とはマッチしない、というのが「ヒーローショ―」でも感じたこと。暴力に関しては、もうこれは監督のものづくりの上での一貫した考え方なのだろう。監督が伝えたい事が、暴力の表現マストなのだから、あとは好きか嫌いか、だ。私は苦手だ。

でも今作「黄金を抱いて翔べ」は気になる役者が揃っている。妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、チャンミン。こうして日本の俳優陣の中に東方神起のチャンミンが名前を連ねていてもあまり違和感を感じさせない役どころだった。ゲストっぽさや異質感はなく、作品の中に、6人の中に馴染んでいた。チャンミン、いい出演作品を選んだと思います。歌のステージでは見れない表情をたくさんしていた。そうか、こういう俳優だったんだ・・・「パラダイス牧場」は東方神起のチャンミンの延長上というか、想定内だったように感じたけど、「黄金を抱いて翔べ」でチャンミン演じるモモは、あぁ、この人はこういう表情もするんだ、と新発見の連続。

作品レビューは9/10発行の【strobo】に掲載します。だから今はザックリとしたアウトラインだけ。事前に映画の情報には触れず新鮮な気持ちで観たいという方はここから先は自己判断で読んでください。

ベストセラー作家・高村薫のデビュー作の映画化ということだが、原作を読んだことはないので、まっさらな気持ちで初見。観終わってから、上映前に渡された資料に目を通して初めてわかったこともいくつかあった。1990年のデビュー作ということなので、20年以上前の作品なんだな、と。これは作品を観ている間中、気になっていた時代背景---いつの時代の話? 会話からは現代のようだけれど、現代ってこんな?---と、自分の中ではシックリしていなかったことも、原作が20年以上前ということで、微妙に納得。いや、納得してないな(笑)。この作品の最大のテーマ、銀行の地下に眠る金塊を強奪する、という手法にリアルを感じられなかった。えっ!?こんなアナログな感じで!?こんなサクッとした計画で!?こんなセキュリティーで!?

原作を読んでいないのでわからないけど、もしかしたら原作はもっと細かいディテールを描いていたのかな。6人それぞれの生きてきた背景とか、出会うまでの気持ちの流れの深いところまで、もっと丁寧に積み重ねて描いていたのかな。だけど映画という約2時間の枠の中では入りきらなかったのかもしれないな。そう感じたのは、互いの信頼関係の深まり方やきっかけがわからないままに6人の結束が深まっていったから。

妻夫木演じる幸田とモモは、ちょっと特別な信頼関係というか親しい距離感を伝えてくるのも新鮮だったが、その雰囲気は嫌いじゃない。

ここまで昨夜書いた。昨日試写を観て、すぐにアップしようと思ったが、MTGなどしてたら夜中になってしまい、書き始めたものの、途中まで。

2時間超えの作品だが、前半はスピード感がある展開だ。特に冒頭部分の導入は一気に物語の世界に引き込まれる。大阪に住んでいる人や大阪に土地勘のある人が観たら、さらに楽しめるのだろうな、と思う。この商店街!この歩道橋!この川・・・など観慣れた景色がスクリーン満載で、本当に街の中での撮影シーンが多い。ファンが撮影現場に集まり過ぎて問題になったという豆腐屋のシーン・・・あぁこの短い会話のシーンだったのか。

にしても大阪。こんなに民家や路上で拳銃パンパン撃ちまくってる街じゃないよね!?

重くなりがちな物語の空気を、「(強奪を)楽しもうぜ!」的な仲間意識にもっていこうとノリを出していたが(これは原作がそうなのかな?)実はそこが難しかった気がします。楽しもうぜ!とは言っても、楽しむにしてはハイリスク過ぎるし、犠牲が大きい。重い方に描いていくには最大のポイントの強奪がアナログすぎて笑える(?) このバランスがこの作品のキ―だったのかもしれないな。。。

チャンミンは6人の主要メンバーの中で、妻夫木、浅野に続いて重点的に描かれていたと思います。それは妻夫木演じる幸田にとって、彼の別の側面というか、彼を違う角度から見ることができるキーマンがモモだから。スピード感は殺さずに、丁寧に描いているのがわかりました。細かいロケシーン、相当時間かかったんじゃないかな。ほんの数秒だけのシーンのためのロケの多さ、インサートされるエピソードの描き方など、短い時間にモモを知る上で大事な導入。ニュアンスわかりにくいと思うので、ちょっと細かく説明しますね。例えば・・・「今までに2回会ったことがある」、という文があって、これを字を追ってしまえば、1~2秒で読んで終わる。このセリフを言う人に言わせても、顔を映していたとして1~2秒で終わる。が、そのセリフの間に、2回会った時のそれぞれの場所(上野だったり、また別の場所だったり)の映像がインサートされていたら、同じ1~2秒のシーンでも、2ケ所のロケ地に出向いて撮影するという手間がかかっている。そういうところです。物語のスピードに合わせてさーっと無意識に観てしまうかもしれませんが、その1つのセリフを映像にする上で、丁寧に描いているな、と、ついつい製作サイドからも観てしまったり。

チャンミンのファンなら確実にドキッとするようなシーンが何度もありますが、幸田との関係性のあいまいなぼんやりした、もしかしたら?みたいなふわっとした描き方が、もっとキレよく描いて欲しかったようにも思いつつ、いや2人のシーンはこの物語の癒しの部分と理解して、このぼんやり感が良さなのだ、とも思ってみたり。

作品を観ている間に、モモ=東方神起のチャンミン、という見方をすることはほとんどなかった。本当に作品の中のいち役者として存在していました。。。。が!一瞬、今のは東方神起のチャンミン!?と私が思った何気ないシーンがありましたね(笑)。数秒のシーンです。階段上がってきてアパートに入るシーン。階段の駆け上がり方がキレイすぎて、ありゃどんな遠くから見ても、大阪の街にまぎれてないでしょ!ってくらい一瞬東方神起の人に見えました(笑)。個人的にはそこだけかな。

この作品の冒頭のモノローグが好きです。大都市で暮らしていると感じる孤独や自分のちっぽけ感・・・今生きている今日のこの瞬間をひっくり返したいと思うような、、、思うけどそんなことは出来ないような、、、できるんだったら、それに賭けれる人が羨ましいような、、、。私はこの冒頭モノローグで作品にすっと入っていけました。

そして、今作に限ったことではないけれど、暴力の先に何があるのかな?って、いつも暴力が描かれる作品を観るたびに思う。

11月3日公開。

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コメント

はじめまして、ワタシは東方神起のファンです!
ワタシを含め、沢山のファンが熱狂的に!?f^_^;楽しみにしてる「黄金を抱いて翔べ」の情報有難うございます(^^)/!

大好きなチャンミンが出ている!のは勿論ですが、
根が真面目な東方神起ファンは(自画自賛(*^^*)!?)、
原作を読み込んでる方も多く、(売切れで、文庫が再版になったほど!)、ももに対する思い入れはハンパないです(^^)!

トンペン(東方神起ファンの事です)だけで、一時期前売券が売り切れてましたし、何度も見に行く事間違いないです!
これに、妻夫木君や豪華共演者の話題性!ストーリー性などで、ぜ~ったい!大ヒット間違いないです(*^o^*)!
感想を伺って、余計に楽しみになりました!
ありがとうございました!
チャンミンをよろしく(^^)/

投稿: momoburi | 2012年8月28日 (火) 08:08

×妻武木
○妻夫木
主演の名前を間違えるなんてプロのライターですか?
K-POPタレしか見てない感想といい、がっかりです。

だから嫌われるんだよ韓流は・・・

投稿: ふうこ | 2012年8月28日 (火) 10:47

原作読みましたが、映画がとても楽しみです!
豪華出演陣ですし、何と言ってもブッキーとチャンミンのシーンが楽しみです。
11月が待ち遠しいです\(^o^)/

投稿: ゆい | 2012年8月28日 (火) 13:22

> momoburiさん

原作を事前に読む読まないは、ホントそれぞれの好みだと思います。たまたま読んでいた作品が映画化された時は、既にそのストーリーや結末も知ってるわけで、自分の中でいったん出来上がっているイメージと映像化されたときのギャップが100%一致なんてことはほぼあり得ないので、いろんな感情が巻き起こりますよね(笑)。

私は映画化された時点で、原作を読んでいない時は、あえて読まずに作品を観るようにしています。

いろんな見方・楽しみ方があっていいと思います!

最初から何度も観に行くゾ―!というのよりは、観たらもう一度観てみたくなった、というのがいいんじゃないかなと思いてます。

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月28日 (火) 15:58

> ふうこさん

ごめんなさい。2ケ所名前を間違えたまま気づかずアップしてしまいました。修正しました。
ご指摘ありがとう。

映画全体のレビューは9/10発行の【strobo】に掲載しますので、そちらをぜひ読んでください。

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月28日 (火) 16:01

>ゆいさん

あ! ブラッド・ピットが出演した「オーシャンズ11」、観たことありますか? カジノの金庫に隠された巨額を盗むために、それぞれの道のプロが集まって前代未聞の強奪計画を実行するというドリームチーム的な爽快なエンタメ作品なんですが、その舞台がハリウッドから少し昔の大阪に移ったような・・・そんな感じがしました。


投稿: kiyori ♪ | 2012年8月28日 (火) 16:22

こんにちは 今日も暑いですね!

「黄金を抱いて翔べ」の公開をとても楽しみにしています。
試写をご覧になられた方々からの感想がアップされていますが、皆さんに共通しているのが、チャンミンを東方神起のチャンミンとしてでは無く、一人の演じ手として、色眼鏡をかけずに見ていらっしゃることです。
国籍や経歴や経験は、演技をするうえで何ら関係ありません。 その演じ手が自分に与えられた役を、どんな思いで、どれほどの情熱で演じていくか…。
そこには、それぞれの役者の真摯な努力があるはずですし、そしてそれは必ず完成した作品に現れるのだと思います。
演技をするうえで大切なことは、そういうことであると思います 。

皆さんが、東方神起のチャンミンの演技を、プロの目でご覧になり批評をされていらっしゃることに、一映画ファンとして素直に良かったなと思っています。

きよりさん、プロでもアマでも間違えることはありますよ! 人間ですからね(^^)


投稿: マリリン | 2012年8月28日 (火) 17:58

>マリリンさん

コメントありがとうございます。

そうそう、今作では原作を読まれてから映画を観る方が多いようですが、するとモモがどういうことになるか?は大体の方が知っているんですよね。なるほど~(ひとり完結・笑)。

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月28日 (火) 20:31

こんばんは、記事ありがとうございます。この秋、高倉健さんの映画(遥か昔、高校生の頃『動乱』見てからのファンです。)と『黄金を抱いて翔べ』をとても楽しみにしています。
『パラ牧』は確かにチャンミンがチャンミンのままでした(笑)でもそれがあの時期嬉しかったような。
今回、出演が決まってから、この曲者俳優ぞろいの中で、チャンミンが画面にすんなりなじむのかちょっと心配でしたが、記事を読ませていただいて安心して臨むことができそうです。strobo手に入るでしょうか?売り切れ必至ですね。
私は原作を読まない派です。読むと自分のイメージができてしまって、それが映像とマッチしないと『あれ?あれ?』ってなってしまうので。井筒監督作品、私もちょっと苦手です。

投稿: 黄色い涙 | 2012年8月28日 (火) 22:26

>黄色い涙さん

stroboの問い合わせが多いので、若干部数ですが、追加予約販売を受付けることにしました。

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月29日 (水) 09:05

はじめまして。チャンミンファンです^^
試写の感想ありがとうございました。
わたしは小説読みました。

>幸田との関係性のあいまいなぼんやりした、もしかしたら?みたいなふわっとした描き方が・・・このぼんやり感が良さなのだ、とも思ってみたり。

ここすごくうれしくなりました。
映画の中の二人の関係性がどうなるのかなと思っていたので。
このぼんやりとした光が射してしたから救われるというか、
より切なく心に沁みる言うか・・
正直何故金塊にこだわるのかわからないくらい悲しいことが起こる話でしたので
男臭い部分だけごり推しのストーリーだったら
ちょっといやだなぁと思ってました。

公開が本当に待ち遠しいです^^
(こちらの記事の文章ブログにお借し下さい)

投稿: きゃらめる | 2012年8月29日 (水) 13:30

> きゃらめるさん

殴り合い、乱闘などのシーンは井筒監督の得意なシーンだと思うのでうが、今回メインの6人はどこかホッコリする面を失わないように描こうとしているのは伝わってきました。でも笑いのセンスが人それぞれ違うように、私は井筒監督の仕掛けているクスッって感じのシーンにはハマらなかったんですよ。

でも、モモと幸田のシーンは、クスッでほっこりさせるんじゃなくて、ピュアに描くことでふわっと輪郭をリアルにしない、観る側への妄想の領域を委ねた演出になったんじゃないかな、と。

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月29日 (水) 18:41

こんにちは!!「黄金を抱いて翔べ」はとっても期待している作品です。なので9/10発行の【strobo】とっても楽しみです♥どうしてもGETしたいです!予約販売の申し込み方法を教えてください(*゚▽゚*)

投稿: tomoko | 2012年8月31日 (金) 03:33

>tomokoさん

この記事の次のエントリーに予約販売に関してアップしています。
本日〆切りなので、お早めに~!

投稿: kiyori ♪ | 2012年8月31日 (金) 15:58

東方神起チャンミンのファンです。
「黄金…」は今一番の関心事なので、コメント大変嬉しく又ありがたく、読ませて頂きました。
 確かにパラ牧のチャンミンがとーっても素敵ですが、原作を読み込んでいる私からしても、今回の映画のチャンミンはきっとやってくれるに違いないという期待が止まりませんでした。彼の取り組みの一途なところがとても好きなのですが、コメントから察するにやってくれたと確信し、ガッツポーズな気分です。
 そしてもう一つ、幸田との絡みがどのように表現されているのか、気になっていたのですが、なんとか心配せずに見れそうで安心しました。
 かっこ良く階段を駆け上がるシーンを想像すると、それだけでうっとりです。前売りたくさん購入してますので、階段のシーンを含め、いろんな角度で見ていきたいと思います。
 stroboというフリーペーパー、今回初めて知ったのですが、昨日が予約の締め切りとのことで、とっても残念でした。もし、万が一に本日でも間に会うのでしたら、お願いしたいのですが、その節はぜひご連絡をお願いします。

投稿: ありぺん | 2012年9月 1日 (土) 22:15

>ありぺんさん

チャンミンファンの皆さんはモモと幸田の描かれ方をものすごく気にしているんですね。
私は原作を読んでいないので、途中から、あれ?なんかそういう感じなの?ぐらいに察する程度で、ぼんやりとしたものでしたよ。だからどういう気持ちの流れが2人を引き寄せたのかあまり確信的にはわからなかったですし、ネタバレになるので書きませんがチャンミンのアパートでの服装の意味もわからなかったです。また、どこで6人の信頼が深まっていったのかも。細かいロケシーンの積み重ねなど丁寧に撮影していましたが、、、感情面の描き方は正直物足りなかったです。

映画を観た後、よし原作も読んでみよう、とまでは惹かれませんでしたね~。

投稿: kiyori ♪ | 2012年9月 2日 (日) 01:15

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